めまいは間違いなく春になって増える愁訴です。

1月から寒暖の差が大きく、風の強い早春となりました。

風とは何か?

ズバリ、高気圧から低気圧への大気の移動。すなわち、大気圧平均化の過程でして、差が大きいほど強くなります。

地球に住んでいる全ての生物は大気圧の影響を受け続けます。

勿論、我々人間も影響を受けていて、都市生活であっても大気圧の影響を避けることは出来ません。

空調で温度と湿度は調節出来ますが、普通の住環境ならば気圧調整は出来ませんよね。

この調節出来ない気圧の影響を最も受けるのは耳です。

耳の不調が春のめまいのもとになっている場合が多いのです。

そうすると多くの方々は、耳の問題と認識して先ずは耳鼻科を訪れるわけですね。

ところがなかなか思わしくない状態が続いてしまう場合が頻発します。

何故なのか?

それは首のコリがとれていないから。

これは私の見方ですが、多くの場合、めまいの場合は利尿剤の処方をされます。

恐らく、内耳の水腫がめまいの原因という見方をしているからでしょう。

つまり耳周りの浮腫を取り除くことを狙って利尿剤を処方するということです。

ここで考えてほしいのは、浴槽から水を排水することを考えてみてください。

排水口の流れが悪いと排水されませんし排水管も然りです。

薬で排水しようとしても、物理的に流れないとなかなか能率はあがりません。

話を人体に戻します。

耳の場合、耳周りの首の筋肉にコリがあって流れが悪いと、なかなか耳周囲の循環は良くなりません。

鍼灸は流れの悪い循環を直接良くする方法で、薬の働きを補助することが出来ると考えています。

思い当たる症状の方はご来院予約のうえ、ご相談いただけると良い解決策をご提案出来ると存じます。

ここからは余談ですが…

耳のように敏感な器官ゆえ難しいのは、どの程度の治療が分量として適当かと言うところです。

つまり、やり過ぎると腫れ上がって尚更循環が悪くなりますし、足りないと何も改善しません。

適切な介入こそ大切なことです。

鍼灸師は、このあたりのさじ加減の専門家でもあります。