春に多い症状について、いくつかの例を挙げて説明しております。
自己評価してみると、症状とメカニズムについては詳しく書いているが、具体的な部位やツボの名前を出していません。
恐らく、鍼灸について初めて調べる方はここのところを知りたいと考えておいでなのかも知れないとは、薄々気づいています。
何故なら、「寝違えに効くツボってありますか?」の質問というのは鉄板だからです。
では何故、私がそれを書かないのか?
一言で言えば…
そんなツボは無いからです!
別のことに例えてみましょう。
「絶対儲かる投資先ってありますか?」と投資家に質問したらどう答えるでしょうね?
恐らく、「それは社会情勢とタイミングと運て変わるんだよ!」と答えるでしょう。
即ち、絶対というものはなく、状況の変化を読んで、臨機応変に対応するしかないということをお話になるでしょう。
実は、医療にも同じ事が当てはまります。
必要なのは、臨機応変な対応なのです。
具体的なツボという一点を示すには、個別具体的な材料がないと出来ないから書いていないのです。
薬は、投与すれば、大半の場合の反応はある一つの効果が現れる場合が多いのです。
それでもブラシーボ効果(偽薬効果)があり、別の効果が現れる場合もあるのです。
増してや、身体のある一点に刺した鍼の効果が同じになるということを完全に規定することは不可能です。
もしあるとすれば、こういう条件の時にこの刺し方をしたらこうなりますということを示す程度です。
とはいえ、これを示したところで個別の事象過ぎて、一般化にはほど遠くなります。
だから首の筋肉とは表現できても、天柱とか風池とか、ツボの名前にすると嘘になってしまう。
そんなわけで、わざとぼやかしているわけです。
日本の職人技には、こうした個別具体的対応の技が多いため、匠が多く存在するのではないでしょう。
無責任な事を書きたくないという良心が少しぼやかしていると理解いただくと幸いです。