富山市民俗民芸村|とやま土人形工房
この中の1つは持ってます!富山市民族民芸村の画像より引用

桃の節句の昨日は、私の誕生日でした。

男として生まれた私は、子供の頃よりこの誕生日をどれだけ恨んだことか分りません。

とはいえ、現在前向きに考えられるようになり、いまでは鍼灸師の誕生日として相応しい良い日に生まれたものだと、良い方向に考えられるようになりました。

古来、子供が成人に至る前に夭折(若くして亡くなること)するのが大変多いことは常識でした。

そのため、古来は身代わり雛としての人形を川に流して子供に付いた邪気を払う習慣がありました。いわゆる流し雛の習慣です。

その後、飾り雛の習慣が身に付き、流さず飾って片づけをする文化に変化しました。

飾り雛の習慣になったとはいえ、子供の邪気を祓い清めてくれる存在として、言い換えると邪気を身代わりとなって引き受ける存在であることは同じでした。

「桃の節句を過ぎたら、早く片付けないと嫁入りが遅れる」などという俗説がありますが、正しく言えば「せっかく引き受け頂いた邪気が子供にまた戻ってしまう」ということを恐れたものでありましょう。

すなわち、邪を払う存在としての雛人形の役割について、俗人にわかり易い表現の例えを行ったと理解できます。

そこで私個人の話ですが、誕生の予定日は3月2日であったと母より聞かされております。

母は私に「生まれる前からのんびりした性格で、生まれる日が一日遅れたんだね」などと言われてきたのですが、半世紀生きてきた今はこれが理由でないと前向きにとらえています。

敢えて一日遅れることで「邪気を払う象徴的な存在」として相応しい日に生まれてきて、邪気を払うにふさわしい天職である鍼灸師となったと思うに至りました。

結構無理繰り考えた感じもありますが、雛人形とともに人々に宿る邪気を払っていこうと思いを新たにした次第です。

今一つの課題は、私自身に伝搬してきた邪気をどのように払うのかという問題です。

今後、精進していきましょう。